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理事長挨拶

 
丹生 健一理事長
 
日本喉頭科学会理事長
塩谷彰浩

日本喉頭科学会理事長 塩谷 彰浩

 この度、丹生健一前理事長の後任として2016年3月に日本喉頭科学会理事長に就任いたしました。誠に光栄であると同時に、責務の重さに身の引き締まる思いでございます。
 日本喉頭科学会は、日本耳鼻咽喉科学会の関連する学会のひとつとして、学会設立の機運が高まってきたことを受け、1988年に耳鼻咽喉科学関連の19名の教授が発起人となり日本喉頭科学会を設立すべく準備を開始し、1989年に喉頭科学の進歩・発展に寄与することを目的とし、正式に学会としての活動が始まりました。比較的新しい学会ではありますが、会員の先生方も増え、専門性の高い学会としてとても活発に現在まで活動が行われています。
 喉頭は、発声、呼吸、嚥下などの機能を司る器官であり、人が生命を維持していくのに必須なだけではなく、人が人としてコミュニケーションを通じて社会的に文化的に生きていくにも欠かせないものであります。喉頭科学Laryngologyはこの極めて重要な器官である喉頭を扱う学問であり、良性・悪性を問わず、また器質的・機能的を問わず、喉頭に関連する疾患全てが対象となります。日本において喉頭科学は音声障害を主として扱う学会であり、喉頭癌などの悪性腫瘍はあまり扱っていないと思っている方も少なくないように思いますが、悪性腫瘍に対する喉頭機能温存手術も喉頭の機能や解剖を熟知したLarygologistが積極的に行なうべきと思っています。咽喉頭癌の経口的レーザー手術を確立したドイツのSteiner教授も、Supracricoid Laryngectomyを世界に広めたフランスのLaccourreye教授もLaryngologistです。したがって、喉頭科学会においては、音声、嚥下、悪性腫瘍への喉頭機能温存等、喉頭を切り口とした全領域をしっかりとカバーしていきたいと思います。
 また、最近少し気になっていることは、喉頭科学の基礎研究に携わる先生が以前より少なくなっているように思われることです。日本の喉頭科学には、金字塔を打ち建てられた、優れた多くの先輩の先生方がいらっしゃり、世界をリードしてきたと言っても過言ではありません。私の駆け出しの頃の喉頭科学会では、多くの基礎演題が発表され、そのような諸先輩方が活発に意見を戦わせていました。若い先生方には、そのような歴史を知っていただき、喉頭科学の臨床研究だけでなく、基礎研究にも取り組んで、是非その成果を喉頭科学会で発表していただきたいと思います。さらにその成果を学会誌「喉頭」に投稿していただければ、優秀論文賞(賞金20万円)のチャンスもあります。
 最後になりましたが、今までの歴代の理事長の先生方が築いてこられた本学会の伝統を継承しつつ、さらに発展させて、新しいこれからの喉頭科学会を創っていきたいと思っております。会員の先生方におかれましては、何卒一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。